選手紹介①マレク・ハムシクという男/パルテノペイで愛される〝モヒカン・ゴールゲッター〟
こんにちは。たっきーです。
少し期間が空いてしまいましたが、10月は多めに更新していきたいと思います。
今日は、今までの内容と少し違って、単純に僕の好きな選手について紹介していきたいと思います。
メッシやロナウド、ネイマールらは全くサッカーに興味のない人でも名前くらいは聞いたことのある選手だと思います。
僕がこれから紹介していく選手は、サッカー好きなら当然知ってるレベル、でもサッカーがちょっと好きな人なら名前は聞いたことあるぐらいのレベル、さらにはサッカーに全く興味のない人なら名前すら聞いたことないぐらいのレベルって感じの選手です(僕の勝手な感覚ですが)。
メッシやロナウドほど派手ではなくとも、サッカー界になくてはならないいぶし銀の輝きを放つ選手はいくらでもいます。
そんな選手達の中で、僕が「この選手のことは少しくらい知っておいて欲しい!」「この選手のこと知ってたら一目置かれるよ!」って感じの選手をいろんな面から紹介していきたいと思います。まあ要は僕の好みの選手の紹介です。
このコーナーは定期化していきたいと思います。なにより書いてて楽しいですし(笑)。
記念すべき第1回目はこの選手です。
基本情報
生年月日:1987/7/27(30歳)
所属チーム:SSCナポリ
国籍:スロバキア
身長/体重:183/79
ポジション:MF(ボランチ・インサイドハーフ・トップ下など)
利き足:右
似たタイプの名選手:フランク・ランパード
・経歴
2004 スロヴァン・ブラチスラヴァ
2004-2007 ブレシア
2007- SSCナポリ
ご存じ、イタリア・セリエAの強豪ナポリの押しも押されもせぬ大黒柱であり、スロバキア代表の主将であるあのマレク・ハムシクです。
「いきなり有名な選手じゃん!」ってサッカー好きの人なら思うかもしれないですが申し訳ないです(笑)。
この選手はとにかく大好きなんです…。どれくらい好きかというと、現役の中で好きな選手ベスト3には入るぐらい好きです。実はセリエAではナポリとフィオレンティーナをちょこっと応援しているのですが、ハムシクのことが好きでナポリを応援し始めたほどです。
まずこの見た目のインパクトやばくないですか…。イカツいタトゥーに分厚い唇と歯茎、そしてスピノサウルスみたいな髪型で得点を決めれば天高く咆哮するその姿…。まずこの圧倒的なビジュアルで「なんだコイツ!?」って思う人は多いと思います。
・プレースタイル
そんな見た目のハムシクですが、プレーはいわゆる中盤のオールラウンダーで、なんでもできる器用な選手。英国風に言うと「ボックス・トゥ・ボックス」にも近いですが、より攻撃の総合力が高い選手です。ただ、なんでもできると言われれば凄さがよく分からないと思うので、僕が思うハムシクの1番のすごいところは、ズバリ…
MFとは思えない研ぎ澄まされた得点感覚
です。ここ最近こそ中盤の低い位置でもプレーするようになったハムシクですが、なんといっても彼の凄さは中盤から前線に駆け上がり多くのゴールを決めるその得点感覚です。実際に2007年にブレシアからナポリに移籍した時、そのシーズンにMFながらチーム最多の9得点を決めたように、若い頃からその得点感覚は突出していました。
彼は突き抜けたスピードや圧倒的なパワーを持っているワケではありませんが、他のMFに比べ、攻め上がりのタイミングの巧さ、そして有効なスペースをすぐさま見つけだす能力がズバ抜けており、それが多くの点を取れる理由になっています。
「センターハーフなのによく点を取る」というのは、かつてはあのフランク・ランパードがウリにしていたことと同じですね。プレースタイル的にも彼に近いと思います。
さらに彼の凄いところは、FW顔負けの多くの得点パターンを持っていることです。左右両足のミドルはもちろん、タイミングよく裏に抜け出して冷静にゴールに流し込むこともできれば、独力で持ち込みドリブルからゴールを決めることもできます。
攻撃面で他の選手と別格の違いを見せるハムシクは、パスも巧く、ラストパスの精度はセリエA屈指です。チャンスメイカーとしても振舞いながら、バイタルエリアに近づけば一気にフィニッシャーに姿を変える。そんなハムシクは今やナポリでは別格の存在、セリエAでも指折りのMFです。
ハムシクの攻撃の能力の高さは記録にも裏付けられており、彼はヨーロッパでも数少ない100ゴール・100アシストを達成したMFです。さらに現在のMFのゴール+アシストの合計の記録はあのアンドレス・イニエスタを上回り、ハムシクがヨーロッパNo. 1です(一つの所属クラブでの記録)。
そして彼は今あの誰もが知る伝説的な選手の記録にも近づいています。
昨日行われたセリエA第7節vsカリアリ戦で今季初ゴールとなる先制点を決め、ナポリでの公式戦通算得点数を114点にしたハムシク。その記録は堂々の2位ですが、現在の1位はナポリの伝説的選手であり、誰もが知るサッカー界のスーパースター、ディエゴ・マラドーナの115点です。そう「あと2点」でハムシクはあの伝説の名選手の記録を上回ることになるのです。
10年という長い期間在籍しているとはいえ、あのマラドーナの記録を越すことになる選手が純粋なMFであると誰が予想できたでしょうか。それがハムシクの得点能力の凄さを物語っていますね。
・ナポリ一筋10年の「愛すべき」モヒカン頭
これほどの能力を持っている選手ですから、もちろんこれまでのキャリアで何度かナポリからの引き抜きも噂されました。今までインテル、ミランを筆頭に、チェルシー、さらにはレアル・マドリーまで、様々な強豪クラブが彼の獲得を試みました。しかしそのたび彼は「ナポリ愛」を強調し、チームに残ってきました。
やんちゃな見た目のハムシクですが、実は常識人であり、インタビューでの言葉からもそれは伝わってきます。クールな雰囲気の割には誰よりも熱い気持ちを持っており、ナポリでは現在チームリーダーとしてしっかり振舞っています。
彼はスロバキア代表でも大黒柱ですが、EURO2016での大活躍の際、代表監督のヤン・コザクは「彼にとってナポリは小さすぎる。もっと大きなクラブがふさわしい。」と称賛すると同時にビッグクラブへの移籍を勧めました。しかしそれに対してもハムシクは「ナポリは僕の未来だ」と一蹴し、“生涯ナポリ宣言”をしました。
こんなことを言うのでもちろん彼はナポリのサポーターから愛されており、インシーニェやメルテンスらと並び最も人気のある選手の1人でもあります。彼がナポリに加入した2007年はナポリがセリエAに昇格したシーズンであり、当時はもちろん現在のようにユヴェントスと首位争いを繰り広げるほどの強さはありませんでした。
ハムシクが加入してからの10年間、ラベッシをはじめカバーニ、イグアインなど様々なワールドクラスの選手がナポリに所属し大活躍をして去って行きました。しかし10年間ずっと所属し、ナポリを古豪復活に導いた一番の功労者は間違いなくハムシクです。そんな選手が生涯ナポリ宣言をするのですからファンにとってはたまらなく嬉しいことでしょう。
ハムシクはナポリ以前の所属チームがあるとは言え、彼はもはやナポリにとって“バンディエラ”(イタリアでいう旗手で、主にサッカーチームにおけるキャリアでずっと同じチームに所属し続ける選手)と同じような存在です。
フランチェスコ・トッティ以来、そのような選手が最近ではほとんどいないので、ハムシクはセリエAにとっても貴重なバンディエラの存在なのかもしれないですね。
ちなみにハムシクはスロバキア代表でももちろん絶対的なエースであり、先ほど書いたようにEURO2016でもロシア戦でのスーパーゴールを含め大活躍をしました。こういうベラルーシにおけるフレブとかアルメニアにおけるムヒタリアンみたいな、小国を背負って立つ選手みたいなのってなんかいいですよね。まあスロバキアはもはや小国とは呼べないほど強いですが(笑)。
・歴代屈指の攻撃陣とともに悲願のスクデットを目指す
そんな彼の所属するナポリは昨日のカリアリ戦の完勝で見事にリーグで唯一開幕7連勝を飾り、宿命のライバルユヴェントスを抑え首位に位置しています。特にメルテンス・インシーニェ・カジェホンらの前線が軒並み絶好調で、ここまでリーグ戦7試合で25得点と圧倒的な攻撃力を見せつけています。
ハムシクはかつて「ナポリで引退したいと思っているが、それまでに一回はタイトルを取りたい」と語っており、キャプテンとして、スクデット(小さな盾と言う意味で、セリエAにおけるリーグ優勝のこと)は喉から手が出るほど欲しい状況だと思います。かつてないスタートを切った今季、ナポリはスクデットを獲得するまたとない大チャンスかもしれません。その中心にいるのは間違いなくハムシクでしょう。
マレク・ハムシクについて、今回のまとめ
・モヒカン頭のイカしたビジュアルのスロバキア代表である
・MFとは思えない得点能力を持ち、今やあのマラドーナの記録を越えようとしている
・所属のナポリでは愛されており、今季は悲願のスクデットを目指す
今季は前線の選手の得点力の爆発もあり、ハムシク自身の得点は思うように伸びていませんが、昨日のカリアリ戦のゴールで、ここから調子を取り戻していくでしょう。今シーズン中にマラドーナの記録を抜いてナポリの史上最多得点記録を持つ選手になることはほぼ間違いないです。セリエAのスクデットの行方とともに、今季もハムシクの活躍から目が離せないです。
そして、引退の瞬間までぜひ水色のユニフォームに袖を通しておいて欲しいですね。
では最後に次回の選手紹介のヒントをチラッと出して今回は終わりたいと思います。
次回はこの選手です〜!わかるかな?(笑) ではまた。