ロシアW杯旅行【14日目】〜ヴォルゴグラード1日観光〜
こんにちは。たっきーです。
ルカクやヴァランが同じ学年であることに改めて違和感を抱くロシア旅行14日目です。横に並んだらまさにビックスモールンです。
これは7月1日のことについてです。
⚫️ヴォルゴグラード観光〜ママエフの丘へ
ヴォルゴグラード滞在最終日ということでこの日はダラダラせずに昼からタクシーで市街地へ向かい観光へ。
今回のW杯でその名前を知った方も多いでしょうが(僕もそうです)、とりあえず真っ先にヴォルゴグラードで最も有名な観光地「ママエフの丘」にやって来ました。
ロシア語だと「ママエフ・クルガン(Мамаев Курган)」という風に呼ばれるこの小高い丘は、第二次世界大戦時の「スターリングラードの戦い」を記念して作られたものです。
ここまで色々あったヴォルゴグラードですが、個人的にここがロシアで最も強く記憶に残った観光地でした。
中心街もすぐ近く、ヴォルゴグラード・アリーナのすぐ目の前にあり、入り口の前にバスと路面電車の「ママエフ・クルガン駅」があるので本当に気軽に訪れやすい観光地です。
さらに、丘と言っても頂上にある「母なる祖国像」までは歩いても15分〜20分あればたどり着けるレベルなので、この暑さとは言えども訪れる日本人サポーターの方は多かったと思います。
ということで入り口からトボトボ歩いて丘を登っていきます。ここから「母なる祖国像」のある頂上まで2キロくらい?だそうですが、全然そんな距離があるようには感じませんでした。
入り口にはママエフの丘の全容についてのロシア語と英語での案内がありました。「母なる祖国像」が最も有名というだけで、「ママエフの丘」はその像を含めた丘全体の複合施設のことを指します。
入り口にあった店でアイスを買って登ることにしました。
最初の階段を登りきると早速奥に「母なる祖国像」の姿が見えます。
登り始めてすぐ、この地で1942年に勃発した長く激しい戦いに関する巨大な石像がたくさん見受けられます。
ちなみにこの頂上まで続く階段は200日間続いたスターリングラードの戦いになぞらえて、200段あるそうです。
2つ目の階段を登りきるとここまでで一際大きい像が姿を現します。どれも戦争を戦った戦士の像だと思いますが、その険しくてどこか悲しげな表情が印象的です。
その奥にチラッと見えるのが、最も巨大な「母なる祖国像」です。
ここから祖国像へと続く道の間には、特に大きな像がいくつも建てられています。どれも戦争での一場面を切り取ったもののようですね。その表情1つをとっても迫力がすごいです。
ロシアで読めないとわかっていてもなぜだか近くに寄って読んでしまいます。
祖国像までの道の手前でこのような戦士たちを供養するためのスペースがあります。ここが今回の旅で訪れた中で最も心に残った場所でした。
今回ここに来ることを決めてから初めてちゃんと調べて知ったことなので、急造の知識でお恥ずかしいですが、この「スターリングラードの戦い」は第二次世界大戦時にこの地でドイツ軍とソ連軍により繰り広げられたものだそうです。
数ヶ月もの長い期間にわたって繰り広げられたこの戦いは、何度も何度も攻勢が入れ替わり、今では「人類史上最も凄惨で多くの犠牲者を出した戦い」と呼ばれているそうです。
この地を守るために死力を尽くした戦士たちを供養するこの大きな火が永遠に燃え続けることを考えると、抽象的な表現ですがこういう話に疎い僕でも何か込み上げるものがありました。そして、このヴォルゴグラードが広島と姉妹都市であることもなんだか納得がいきました。
ちなみにスターリングラードという名前は、ヴォルゴグラードの旧称です。少しでも興味が湧いた方は「スターリングラード攻防戦」で調べてみて下さい。
ここをグルッと周って頂上へと続く順路を進みます。
チラッと見えて驚いたのがこの光景なのですが、おそらく地元の軍隊であろう若い軍人の監視(ちょっとでも動いてないかとか?)のようなことを先輩軍人のような人が至近距離でしていたことでした。
途中で代わるでしょうが、ここにずっと微動だにせずに立っているのはとんでもない集中力と精神力がないと無理だと思いました…。
そのエリアを抜けると再び大きな像が目の前に姿を現します。本当にここはとにかく大きな石像が多く、どれも迫力満点です。
そしてまた少し坂を登り、いよいよ「母なる祖国像」の近くまでやって来ました。とにかく大きい。
コンクリートで出来ていて、頭頂までで52m、足から剣先までだと82mもあるそうです。
像の麓までやって来ました。下からみるとその大きさと迫力がより肌で感じられます。
直立するわけでなくこんな形で立っていて、「倒れないのかな…」と心配になりました。
像の麓から見た街の景色です。それほど高い場所ではないので超絶景というわけではありませんが、多くの石像の向こうに広がる街の景色とさらにその奥にあるヴォルガ川は趣があります。
右側にあるのが日本代表が戦った「ヴォルゴグラード ・アリーナ」です。
像の脇の道を進むと奥には小さな教会もあります。ここまで幾度となく見たデザインですが、この場所にあるものもまた違う雰囲気が漂っています。
一通り像の付近を歩いた後、また元来た道を下って歩いていきます。この頃には太陽が現れてまた少し気温も上がってきました。
この丘の地中には凄い数の人骨と金属片が埋まっていて、今でも掘り返すと出てくるほどだそうです。
またあの場所をグルッと周って戻っていきます。ここの壁には一面にこの地での戦いで命を落とした兵士たちの名前が刻まれていました。
この頃には昼過ぎということもあって多くの観光客に溢れていました。関係ないことですがロシア人の脚ってなんであんなに長いんだ。
⚫️パヴロフの家〜戦争博物館へ
なんだか不思議な気持ちになったママエフ・クルガンを後にして、市街地に繰り出します。ちょっと好きな雰囲気の家もありました。
ロシアには各地にレーニンを冠した像がありますが、やっぱりここにもありました。青空が似合う。
続いて、もう1つ「必ず行こう」と決めていた「パヴロフの家」にやって来ました。目の前にはやっぱりこういうモニュメントがあります。
この場所は「ママエフ・クルガン駅」から、トラムかバスで南に4〜5駅ほどでやって来れます。
強い日差しに照らされて姿を現しました。「パヴロフの家」です。
これは、「スターリングラード攻防戦」にてドイツ軍からの激しい攻撃を守る際にソ連軍が1つの拠点として占拠した4階建てのアパートです。
数人で守ったにも関わらず最後まで崩壊させず守り抜いたことで「戦いの象徴」として現在観光地の1つとなっています。
当時はすぐに街もろともドイツ軍に占拠されるであろうと思われていたはずが、現在でもこれほど綺麗な形を残して建っているので、「粘り強かったソ連軍の象徴する存在」としての役割も担っています。
ちなみにこの建物を拠点にした際にそこで指揮官を務めていたヤーコフ・パヴロフという軍人の名前をとってこう呼ばれているようです。
大学で心理学を専攻していた僕は、ちゃんと調べるまで「あの条件反射のパヴロフの生前の家かなんかかな〜〜てことは犬の銅像とかあるのかな〜〜」とかアホなことを思っていました。
裏側から見た写真です。なんだか以前訪れた長崎の軍艦島を思い出します。
産業都市であるためか、ここだけに限らず、「廃墟なのか違うのかよくわからない建物」が割と多い街並みで、正直嫌いではありませんでした。
ただ暑くて虫が多い!!!いやこれだけが不満でした…。この日もママエフの丘に来た時からずっとちょっと歩けば虫が顔にまとわりついてきて鬱陶しいたらありゃしない。
そしてお約束通りなのかなんなのか、虫除けスプレーを忘れた!!!なんだこれ!!!ちゃんと買ったのに…。一回なぜかヴォルゴグラードのスタジアム持ち込んでしまって検査で捨てられたから2回も買ったのに…。
まあ気を取り直して、パヴロフの家に併設している「戦争博物館」をちょろっと巡って見ます。やっぱりこの街はこういう施設が多いです。
ちなみにここはママエフの丘の帰り道にたまたま出会った日本人の方に教えてもらってやってきました。いきなり戦車がお出迎えです。
なぜかSLがありました。故郷の山口を思い出します。
全部おそらく本物です。正直こういうの嫌いじゃないです。カッコいい。
どこまでも顔にまとわりついてくるブヨたちと戯れながら、当時を振り返る写真の数々や本当に使われていた戦闘機や戦車を見ました。
アタッキングサードでの積極性はW杯に参加したどのチームよりも素晴らしかったので、この街のブヨたちには今後に向けて大きな期待が寄せられます。
なんてバカなことを言っていたらいい時間になったので、ホテルに戻ります。
その場所からタクシーでホテルまで直接行くとまあまあお金がかかるので、一律45ルーブル(忘れたけど確かそんくらいだった)のトラムでできるだけ北へ向かってからタクシーに乗ることに。
ちなみにロシアにおける地方都市ではトラムやバスなどの公共交通機関はどこも大体モスクワの半額くらいでした。ロシアはこの辺が本当に財布に優しい国です。
帰ってホテル準備しなきゃなーとか思ってボーッとしてたら降りる予定だった駅を通り過ぎて変な場所に来てしまいました。やばい。
ちょっと郊外ってだけなのになんかアフリカのどっかみたいな通りでした。急いでタクシーを呼ぶことに。
ここで普通に野良犬に出会ってちょっとビビりました。でも何もしてこなかった…。
今回モスクワの中心地では全く見かけませんでしたが、ロシアでは地方都市には今でも普通に野良犬がいるようで、何度か見かけました。
なかなかタクシーと巡り会えずにこの場所で30分くらい過ごしましたが、なんとか家に帰り着きました。ということでこいつを食べます。
この日は決勝トーナメントのスペインvsロシアが行われ、ロシアが歴史に残る勝利を収めました。本当に感動的な試合でしたね〜。
もちろん現地のテレビで見ていたので、ロシア語実況の盛り上がりがハンパなくてめっちゃ笑ってしまいました。
次の日はいよいよベルギー戦が行われるロストフ・ナ・ドヌへ向かいます。