不本意ながら、日本代表への関心が確実に薄れてきている②/堂安律という宝石
前回の続きです。
前回の記事はこちら↓
前回は中島翔哉への思いの丈をだいぶふざけながらぶつけていきましたが、今回はそれ以外の主な落選&招集についてです。
②中島以外の主な謎人選
今回主に攻撃陣に人選の不満の声が多いです。理由としては、現在ヨーロッパのトップリーグで活躍するイキのいい若手選手が多いからですね。
サッカーファンには、ハリル解任によってチームは一度白紙になったので、それなら試合に多く出ていて結果を残している選手を招集して欲しかったという人が多いはずです。今更戦術とか連携とかどうにもならないですしね。
●堂安の落選
中島と同じく招集への期待の声が多かったにも関わらず落選してしまったもう一人の若手スターが堂安律です。
前回の中島の時と同じように若手俳優で例えると、真剣佑を入れないのと同じレベルです。なんだかよくわからないけどコレ考えるの楽しいです。
冗談はさておき、彼の落選を嘆く声もやはり多かったです。なんせ堂安は今シーズンのオランダ・エールディビジで公式戦31試合10ゴール4アシスト記録した19歳のバケモノです。
サッカーあまり詳しくなくてよく知らない人はとにかくyoutubeで彼のプレーを見て欲しいです。一つ一つのプレーが日本人離れしてます。あと名前の主人公感がヤバいです。
中島と同じく今季加入でこれだけの結果を残し、早速所属のフローニンゲンのサポーターズクラブが選ぶ今季の最優秀選手に選ばれました。加入一年目ですぐさまファンの心を鷲掴みにし、オランダリーグでも注目の若手の一人となっています。しかもまだ10代です。サッカー好きならこの選手もやっぱりW杯という大舞台で見たいですよね…。
前回述べたとおり、ここ数年はベルギーリーグなどに押され気味とはいえ、オランダのエールディビジも昔から「若手の登竜門」として注目の集まるリーグです。
現在もアヤックスのマタイス・デ・リフトや、ユスティン・クライファートなど、やはりビッグクラブの注目を集めるスター候補たちがウジャウジャいます。
個人的にこの選手は中島より日本の未来を背負って立つ選手になると思っています。いくつか理由をあげると、
1.幅広いプレーができる万能型アタッカー
2.今の日本で価値の高い左利きのクラック
3.パンチの効いたミドルが打てる希少な存在
1.幅広いプレーができる万能型アタッカー
西野監督が選手の多くに「ポリバレント」を求めるなら、まさに堂安を招集するべきです。彼は特定のポジションへのこだわりはなく、右サイド・左サイド・2トップのシャドウをこなせますし、年代別の代表ではボランチでも出場していました。
そのどのポジションでも絶対に必要なパス・ドリブル・シュートの基礎的な技術レベルはこの世代でもトップクラスです。世代的におそらく東京オリンピックのメンバーにも選ばれるでしょうが、その時はチームの柱になることは間違いないです。
中島は左サイドから切り込んでのシュートを最も自信のある形にしていますが、堂安は中島ほど特定のプレーへの固執はなく、個人の打開力だけでなく同じようにテクニックを持つ味方選手とのコンビネーションで局面を打開していく力もこの歳とは思えないレベルです。
2.今の日本で価値の高い左利きのクラック
今回選ばれた27名のメンバーの中で純粋な左利きはなんと本田圭佑一人だけです。
別に左利きが多いから強いとは限りませんが、他のチームに比べても少ない方です。
そんな中で堂安律は久々に現れたレフティーのクラック候補です。日本の二列目が左サイドに人材が偏っていて、右サイドの人材が少ないのも左利きが少ないことが少なからず関わっています。
まあ中島が100歩譲って左サイドの人材があふれていたため競争に負けたとしましょう。でも前回も少し触れましたが、右サイドで大きな武器になる堂安の競争相手はあの浅野拓磨です。なら堂安の方が見たかったですよね…
言っておきますが僕は別に浅野が嫌いなわけではないですし、あのスピードは間違いなく武器になります。でもやっぱりプロサッカー選手たるもの試合に出てなんぼでしょ…
3.パンチの効いたミドルが打てる希少な存在
この部分が堂安の最も特筆すべき部分であり、日本人離れしている部分です。
写真を見てもらえればわかりますが、かなり首が太いです。そして全体的にもドッシリとした体格です。サッカーに限らない話ですが、首の太さだけで身体が強いんだなということがわかります。
堂安は172cm/70kgと、日本人には中々いないガッシリした体格で、それがパンチの効いたミドルが打てる理由の一つです。海外でいうとまさにセルヒオ・アグエロ、カルロス・テベス、アレクシス・サンチェス、ジェルダン・シャキリらと同じようなタイプです。
アグエロの公称が173cm/70kgなので、ほとんど同じような体格です。堂安は日本に今まであまりいなかった、フィジカルの強い小兵FWタイプの体格をしています。しかも10代ですでにこの完成された体格、そして海外のトップクラスと遜色ないレベルは本当に貴重な存在です。
このタイプの体格の何が凄いかと言うと、キックのインパクトが違います。
こちらの動画は堂安のミドルシュートの動画です↓ 堂安のミドルは47秒あたりからです。
堂安律 1ゴール1アシスト!! 上位AZにゴラッソをぶちこむ 18/03/2018
この動画を見てもらえればわかりますが、この時の堂安は少し離れた位置にあるボールに対して勢いをつけてミドルを打ったわけではなく、細かいタッチの中から瞬発的なパワーで強烈なミドルをいいコースに打ち込んでいます。
キックの振りもはやく、シュートを打つ時の足腰も安定しているためしっかりとミートしたミドルが打てます。このようなミドルを打てる日本人は正直ほとんどいません。しかも10代でこのレベルなのが凄いです。あとシュートの前の細かいタッチも見事です。
ミドルを打つときだけではなく、ドリブル時にボールを失わないためにもこの体格は必要になります。メッシやネイマールの活躍をみれば、サッカーにおけるボディバランスというものがどれだけ重要かは明白ですよね。
特に今の日本人で右サイドから切れ込み強烈なシュートが打てる選手はほとんどいないので、そういう意味でも堂安は希少な存在です。
このように今までの日本人と異なる特徴を多く持った堂安には色々な経験を積ませ、しっかりと育てていかなければいけません。今回W杯のメンバーに選ばれなかったのは心底残念ですが、この悔しさを2年後の東京五輪にぶつけて大爆発して欲しいですよね。
ちなみに、堂安は先日中島と同じように、無事所属のフローニンゲンに完全移籍を果たしました。二人共1年目の活躍がしっかりと評価された事はよかったですよね。
このフローニンゲンというオランダのチームですが、かつてあのアリエン・ロッベンやルイス・スアレスがデビューしたての頃に所属し、活躍して羽ばたいていったクラブでもあります。
ちなみに10代の選手でフローニンゲンで6得点以上を決めたのは上記2人と堂安を含め4人しかおらず、その中でも堂安は6ゴールのロッベンを超えており、当時リーグ戦のみで10得点をあげたスアレスとはほぼ肩を並べた形になります。スゲェ…
彼と同じようにこのクラブからワールドクラスへと羽ばたいていって欲しいですよね。それにしてもやっぱ堂安スゲェ。
ていうか中島とか堂安とか選ばれなかった良い選手について掘り下げれば掘り下げるほどなんだか悲しくなってきますね。なんだこれ。堂安は天才。
なんかタイトルと違って普通に期待の若手を紹介するコーナみたいになってしまいまいたが、まだまだ続きます。堂安は宝石。